社会人になってから一人暮らしを始める人は多いと思う。
一人暮らしを始めるためにはかなりの出費が伴うし、始めたら始めたで身の回りのことをすべて自分でやらなければいけない。
とくに新卒で一人暮らしを始める人は、新しい生活と突然の出費でてんやわんやになってしまいがち。
今回は新卒・社会人で初めて一人暮らしをする人のために、具体的な費用や問題点についてまとめてみたので参考にして欲しい。
適正家賃は「手取り額の1/3以下」
一般的にサラリーマンの適正家賃は「手取り額の1/3以下」と言われている。
月の手取り額 | 適正な家賃 |
14万円 | 4.7万円 |
15万円 | 5万円 |
16万円 | 5.3万円 |
17万円 | 5.7万円 |
18万円 | 6万円 |
19万円 | 6.3万円 |
20万円 | 6.7万円 |
ここで注意しておくべきことは、"月収ではない"ということだ。
あくまでの税金を引かれた後の、手取り額が目安になっている。
特に新卒の人は注意をして欲しい。2年目になると住民税が引かれてしまい、額面の約8割程度が手取り額になる。
手取り額は1年目のほうが多いので、税引前の額面をベースで家賃計算をしてしまうと新卒2年目からキツくなる可能性が高くなる。
新卒・社会人の平均月収と家賃相場
まずは新卒の平均初任給を下記する。
新卒の平均初任給
- 高校卒 161,223円
- 短大卒 176,701円
- 大学卒 200,888円
- 大学院卒 227,371円
学歴によって初任給の差はけっこう大きい。
年齢別の平均月収
ここからは年齢別・学歴別の平均月収を下記する。
年齢 | 高校卒 | 高専・短大卒 | 大学卒 | 大学院卒 |
~19歳 | 18.2万円 | ー | ー | ー |
20~24歳 | 18.2万円 | 21.3万円 | 22.9万円 | 25.2万円 |
25~29歳 | 23.3万円 | 24.9万円 | 26.6万円 | 28.2万円 |
30~34歳 | 25.8万円 | 28.1万円 | 28.1万円 | 33.7万円 |
35~39歳 | 28.5万円 | 32.5万円 | 32.5万円 | 43.5万円 |
40~44歳 | 31.1万円 | 35.9万円 | 35.9万円 | 49.8万円 |
45~49歳 | 33.3万円 | 39.0万円 | 46.1万円 | 56.0万円 |
50~54歳 | 34.5万円 | 43.9万円 | 52.6万円 | 63.6万円 |
55~59歳 | 35.3万円 | 44.0万円 | 51.6万円 | 71.4万円 |
60~64歳 | 26.8万円 | 31.1万円 | 37.8万円 | 61.7万円 |
高卒でも額面で16万円ほどあるので、手取り14万円で計算しても家賃4.7万円以下が適正家賃といえる。
住む物件の家賃さえ適正であれば、学歴に関係なく一人暮らしをすることは可能だ。
『家賃+10万円』が1ヶ月の生活費
基本的に「家賃+10万円」が生活費となるので、毎月の手取り額がこれを下回るようであれば生活が成り立つ。
家賃 | 家賃生活費合計 |
5万円 | 約15万円 |
6万円 | 約16万円 |
7万円 | 約17万円 |
8万円 | 約18万円 |
あくまでも平均なので、お金がかかる趣味を持っている人は+αがかかるし、自炊や節約が好きな人なら生活費をさらに下げることもできる。
新卒1年目の場合、冬のボーナスは満額支給される事が多い。
毎月の処金が難しくても、ボーナスをまるまる貯金に回すことで生活費の余力が増える。
最初は生活がキツイので無理をしてまで一人暮らしをする必要な無いけど、家賃をうまくコントロールすることで新卒1年目からでも一人暮らしは可能。
一人暮らしがキツイと言われる理由
一人暮らしを始めるためには多くのハードルがあるけど、主な原因は金銭面だ。
ここからは一人暮らしがキツイと言われる理由をまとめてみたので下記する。
一人暮らしがキツイと言われる理由
- 初期費用が高い
- 仕事しながらなので生活に余裕がない
- 引越し作業をする余裕がない
- 環境の変化が大きすぎる
初期費用が高い
一人暮らしを始めるための一番大きなハードルが「金銭面」だ。
新卒の給与が少ないのはもちろん、賃貸物件を借りるためには初期費用として敷金・礼金・仲介手数料など発生する。
初期費用の目安は、家賃の4~5倍と言われている。
家賃 | 初期費用目安 |
4万円 | 約16万円~20万円 |
5万円 | 約20万円~25万円 |
6万円 | 約24万円~30万円 |
7万円 | 約28万円~35万円 |
8万円 | 約32万円~40万円 |
9万円 | 約36万円~45万円 |
上記のようにほとんどのケースで20万円以上の初期費用が発生している。
すでに働いているならまだしも、新卒サラリーマンでこれだけの出費がかかるのはかなり苦しい。
しかも新卒の平均退職率は高く、入社しても約3ヶ月でやめてしまう人が多い。
入社して一人暮らしを始めても、入ったばかりの会社が自分に合わず辞めてしまったら、収入がなくなって生活を維持することができなくなってしまう。
新卒ですぐに一人暮らしをするのはかなりリスキーだ。
仕事をしながらなので生活に余裕がない
新卒は初めての仕事で覚えることが多すぎる。
日中は覚えることが多く疲れてしまい、家に帰ってご飯を作ったり、洗濯したり、掃除をしたりする余裕を持てるか未知数。
もしも運悪くブラック企業に勤めてしまったなら、その時間を確保することもできないし、休日は精神的に疲れてしまって家のことをする余裕も無くなる。
結局一人暮らしを始めても、かえって寝るだけの部屋になってしまう可能性がある。
引越し作業をする余裕がない
部屋を借りてもすぐに快適な生活ができるわけではない。
今まで使っていた家具や家電を引越し先に運ばないといけないし、引越しを機に新しい家具家電を購入する必要がある。
当然、引越し費用や新しい家電の購入費がかかってくるので、前項で説明した初期費用+引越し費がかかってしまう。
しかも、平日は仕事に追われて疲れ切ってしまうので、貴重な休日が引越し作業で無駄になってしまうと体力・精神面の負担が大きくなる。
環境の変化が大きすぎる
世界で一番リラックスできる場所。それは自分の家である。そう、ソクラテスだって言っていた。
本来落ち着ける場所である自分の家でも、引越したばかりだとあまり慣れない。
ただでさえ、社会人になって周囲の環境がガラッと変わって忙しい毎日なのに、リラックスできるはずの自分の家でも疲れが取れなかったら本末転倒。
実家と違って、平日に職場以外の人と話す機会は減るので、一人暮らしを始めてすぐだと一人ぼっちの生活に悲しい思いをする人は多い。
メンタルが弱い人は環境の変化が大きすぎて仕事を辞めてしまったり、鬱になってしまうこともある。
一人暮らしを始めるために準備しておくこと
前項で紹介したように一人暮らしをするには数々のハードルを乗り越える必要がある。
ここからは一人暮らしをするために必要な準備を紹介する。
一人暮らしを始めるための準備
- 初期費用を用意しておく
- 家賃補助を活用する
- 家賃は月収の1/3以下に抑える
- 仕事が始まる2週間前には引越しを完了させておく
初期費用を用意しておく
一人暮らしを始めるためには、ある程度の貯金が必要だ。
学生時代にアルバイトをしていたり、親に出して貰える人は問題ないけど、そうでない人は部屋を借りすことすらできない。
初期費用を払えるだけの貯金が貯まるまでは、無理に一人暮らしを始めずに実家から職場に通うのは全然あり。
最低限初期費用を払っても、家賃2~3ヶ月分の貯金が余るくらいの蓄えはあったほうが安心。
家賃補助を活用する
会社によっては制度として「家賃補助」を設けている。
厚生労働省の調査だと、家賃補助の平均額は毎月17,000円。
家賃補助があれば仮に50,000円の賃貸アパートを借りても、33,000円の支払いなので家賃補助が有ると無いとでは負担がかなり違う。
家賃は月収の1/3以下に抑える
前項で紹介した通り、適正家賃は手取り額の1/3以下と言われている。
月の手取りが18万円なら家賃は6万円程度という計算だ。
ちなみに1ヶ月の生活費は、家賃抜きで約10万円ほどかかる。
生活費 | 金額 |
電気代 | 4,000円 |
ガス代 | 4,000円 |
水道代 | 3,000円 |
ネット代 | 4,000円 |
食費 | 40,000円 |
雑費 | 10,000円 |
交際費 | 20,000円 |
交通費 | 10,000円 |
スマホ代 | 5,000円 |
合計 | 約100,000円 |
生活費と家賃を合わせる給料から手元に残るお金はほとんど無く鳴ってしまうことが分かってもらえると思う。
一人暮らしにとって、家賃負担はかなり大きな金額になるから、家賃を含めた固定費をどれだけ抑えられるかがお金を貯めるためのポイントになる。
仕事が始まる2週間前には引越しをしておく
初めての一人暮らしには準備期間が必要だ。
新卒だと多くの場合、仕事が始まる前の3月末に一人暮らしをスタートするけど、あまりにもギリギリだと引越し作業・周辺環境を把握する時間が足らずに、新社会人の生活が始まってしまう。
もしも新卒で一人暮らしをするなら、時間に余裕がある2週間前くらいの3月中旬ごろには入居して生活を慣らしておくことをオススメする。
良い物件を効率的に探す方法
良い物件を見つけるためには、「SUUMO」「HOME's」「アットホーム」「アパマンショップ」などの賃貸物件紹介サイトで比較しながら探すことをオススメする。
管理会社に直接行って紹介してもらうことも悪くはないけど、管理会社によっては物件数が少なく、しかもその少ない中から契約をさせようと言葉巧みに迫ってくる事が多い。
最近だと、ほとんどの賃貸物件はネットで検索できるようになっているので、紹介サイトで目星をつけてから管理会社を訪ねても遅くはない。
引越しシーズンは避ける
新生活がスタートする1~3月、企業の転勤が多くなる9~10月は引越しの繁忙期と言われている。
このシーズンは賃貸アパートの取り合いになり、引越し費用も高くなる傾向があるため、良い物件を見つけることが難しい。
余裕があるなら1~3月、9~10月は避けて、物件を探すと良い物件が見つけやすい。
管理会社の言葉に騙されない
実際に賃貸アパートを内見したり、管理会社に相談をしに行くと、決まって営業マンが下記のような決まり文句を言ってくる。
騙されてはいけない言葉
- 「他のお客様もこの物件を内見される予定です。」
- 「今を逃すと、この部屋はすぐに他の人に契約されてしまいますよ。」
しかし、彼らはすぐに契約をさせて契約を勝ち取りたいだけ。内見してみてピンとこない物件なら、即決して契約する必要はない。
見切り発車で賃貸アパートを契約してしまうと、後から良い物件を見つけてしまって「あぁ…こっちの部屋を借りればよかった」と後悔してしまう可能性が高い。
契約する物件は慎重に。
一人暮らしを始めるなら仕事に慣れてからでも遅くない
新卒になってすぐに焦って一人暮らしをする必要はない。
実家から職場まで通えるなら無理をせずに通勤した方がいいし、そのほうが一時的な出費も抑えられる。
せっかく一人暮らしを始めるなら、余裕を持って良い物件を見つけてからのほうが絶対に幸せな生活を送れる。
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