エアコンは賃貸の備品。
賃貸アパートのエアコンの管理は基本的には管理会社が行うのが一般的だから、よほどの理由がない限りは入居者がエアコンを購入するケースは少ない。
今回は私が住んでいる賃貸アパートのエアコンを無償で交換してもらったときの体験談を記事にする。
部屋のエアコンが2003年製だった
今の部屋に住み始めてそろそろ2年が過ぎようとしている。
社会人になってから月日の流れが早くて、遂に私は30歳という所謂オッサンと言われる年令になってしまったわけだけど、本当に年月の過ぎ去るスピードが残酷過ぎて震えている。
そんな記念すべき30歳を迎えることになった住処である今の賃貸物件なんだけど、エアコンがかなりの旧式のモデルだったんだ。
住み始めた時から、ちょっと古そうなエアコンだなぁ、と思っていたけど製造年度を確認することは無かった。
スマートリモコンを導入するに当たって、エアコン周りを改めて見ていると2003年製であるという衝撃の事実が発覚した。2003年って私が13歳の時に作られたエアコンやんけ!
こんな古いエアコンはなんとしても管理会社に交換させたい。なんとしても。
エアコンの平均寿命は10年
一般的にエアコンの使用期間、つまり寿命は10年と言われている。この10年という単位はエアコンを安全に使用できる指標として経済産業省が規定した「長期使用製品安全表示制度」に基づいて富士通やパナソニックなどの各メーカーが算出した数値。
メーカーの部品の取り置き期間も「長期使用製品安全表示制度」を目安にしていて、10年経つと交換用の部品を保管することも製造することも無くなる。
各社メーカーも私達消費者に「安全に使える期間は10年くらいだから無理に長期間使うと危ないゾ☆交換部品も作らないから早めに新しいエアコンに交換してね♡」という注意喚起をしているわけだから、10年経ったエアコンは早々に交換するべきなんだ。
古いエアコンは消費電力が大きい
エアコンに限らず最近の家電製品は省電力性が高い。
古いものに比べてパワーが強いのに消費電力は少ないというエネルギー保存の法則を捻じ曲げているとしか思えない技術進歩を経ているのが現代の家電製品。
各社メーカーの製品ごとにアピールポイントが違うけど、10年以上の物と比べれば当然どれも省電力性は高い。
古いエアコンは使用電力が大きいから、ランニングコストも大きく跳ね上がる。長い目で見ればエアコンは早めに交換しておいたほうが月々の電気代の出費を抑えることができる。
交換をしてもらうためには正直すぎてもダメ
エアコンの寿命は10年だから普通に考えれば、管理会社に言って交換をしてもらえるはずなんだけど賃貸のオーナーは余計な出費は防ぎたいと考えているはずだ。
賃貸のオーナー目線から見ればエアコンを交換しても家賃収入が増えるわけではない。むしろ管理会社に手数料を取られるから思っている以上にエアコンの交換費用はかかるはずだから、
「17年前のエアコンだから交換してください」
と正直にお願いした所で、
「壊れてから交換します」
と一蹴されてしまう可能性が高いと私は睨んでいる。
是が非でも交換して欲しい入居者の私と、出費を極力抑えたいであろうオーナーと、その仲介をしている管理会社。管理会社はエアコンを交換して手数料を取りたいはずだから管理会社がオーナーに掛け合う時に有利になる条件が揃えることができれば、エアコンを交換してもらえるはずだと予想した。
だから今のエアコンの状況を大げさに管理会社に連絡することにしたんだ。
なんとかして管理会社にエアコン交換させたい
賃貸の持ち主であるオーナーにエアコン交換を持ちかけるのは管理会社の仕事。だから管理会社がオーナーを説得できるだけの条件が揃えばエアコンを交換してもらえる可能性は高くなるはずなんだ。
だから私は「エアコンが17年前の物であること」に加えて「最近エアコンの調子が悪い」ということを付け足して問い合わせをしたんだ。
【問い合わせ内容】
お世話になっております。
貴社の管理しているアパートに住まわせていただいておりますが、最近エアコンの調子が悪いようで電源をつけると時たま異音がします。
異音は1時間に一度の頻度で発生し、異音が発生すると暖房に設定しているにも関わらずエアコンから冷気が送られてきます。
設置されているエアコンは「2003年製の富士通ゼネラル㈱品」です。
エアコンの写真も添付致しますので、ご確認いただきましてご対応の程よろしくお願いいたします。
早くも翌日に管理会社から連絡がきた。
この対応速度は素晴らしい。
【管理会社の返信】
管理会社のDKPです。
画像の添付にてお問い合わせありがとうございます。
現在使用されておりますエアコンは2003年製になりおよそ17年経っております。
何らかの不具合が生じて異音が発生していると思われますが、一般的に修理用の部品保有が9~10年となっているようです。
そのため、メーカーさんにて一度お伺いさせて頂いたとしても修理が不可な可能性も考えられます。
建物のオーナー様に現状を報告させて頂き、本体交換をお願いしてみたいと思います。
何分、相手があってのお話になりますので少々お時間をくださいませ。
進展があり次第、ご連絡いたします。
想定通りの回答でニッコリ。その1週間後に連絡がありエアコン交換の許可がオーナーから貰えたとのことで全てが私の思い通りに進んでいった。
あとはエアコンの工事業者から私に直接連絡があるから、ということで管理会社とのやり取りは終了した。…ように思えたがさらに1週間が経過しても工事業者からの連絡は無かった。むむむ。
管理会社から工事業者への連絡待ち
管理会社から「近々、工事業者から直接工事日の相談の連絡がくるから対応してね」という内容の連絡を貰ってから、毎日工事業者からの連絡を待っていたんだけど1週間経っても全く音沙汰がない。
これはたぶん忘れられてるな
そう思って再度、管理会社に問い合わせを行ったんだ。
【問い合わせの再確認】
先日、エアコンの異音について問い合わせをさせていただいた者です。
1週間前に「工事業者から随時連絡がある」とご連絡をいただいたのですが、1週間経った今でも連絡がございません。
もうしばらく時間がかかるのでしょうか?
ご確認いただけますと幸いです。
連絡がないぞ、どないなっとんねん!という気持ちを押し込めて、極力丁寧な文章で問い合わせを送ると、相変わらずの早さで翌日には回答が返ってきた。
【管理会社の返信】
おまたせして申し訳ございません。
富士通さんに確認しましたところ、順次対応させて頂いているところで御座います。
本日の夕方頃にご連絡が入ると思いますので、今しばらくお待ち下さい。
管理会社の連絡は凄まじく早いからたぶん交換用のエアコンが届かなかったとか、工事業者が連絡を忘れていたとかが原因だと思う。
このあと管理会社の連絡通り、当日中に工事業者からの連絡が入ったけど、電話をかけてきた工事業者がクセのある感じの人だった。
工事業者の電話対応者がくせ者
管理会社から連絡があってから4時間後、工事業者から私宛に電話がきた。
電話の先から疲れ切った初老の男性の声が聞こえてきたので、なにか嫌な予感がして仕方ない。
【工事業者からの着信】
私「もしもし」
工事業者「DKPさんに依頼された工事業者の者です。エアコンの工事日についてご相談で電話しました。」
私「ありがとうございます。仕事の都合上、土日祝日しか家にいないので来週以降の土日で工事可能な日はありますか?」
工事業者「土日ですか…。いや、行けない事はないんですけど平日で家にいる日はありませんか?」
私「仕事で出張が多いので平日に家にいる日の予想がつかないんですよ。月曜日の夜18時以降なら家にいる事が多いですけど…」
工事業者「いや、うちはそんな遅くに工事にいけませんよ(笑) 昼間はいないんですか?」
この時点で、おやぁ?此奴さては面白人間だなぁ?と察しつつ、イライラを抑え込んで引き続き工事日の調整をした。
私「すいません。平日の昼間は仕事なもので。土日で対応してもらえますか?」
工事業者「ハァ(ため息)、分かりましたよ。じゃあ来週の土曜日でいいですね?朝8時に行きますけど家に居るんですよね?」
若干、高圧的な態度で半ば強制的に工事日時を決めてきやがった。実に面白い。
私「大丈夫ですよ。来週土曜日の朝8時にお待ちしています。」
工事業者「エアコンの下に家具とか置いてるなら、退かしておいてくださいね。じゃあ。」
すごい高圧的に電話を切られた。社会の荒波に飲まれすぎて大量のストレスを抱えてそうな人だった。
一抹の不安を抱えたまま1週間が経ち、エアコン交換の工事日がやってきた。
工事担当者は金髪夫婦
ついにエアコン交換の当日がやってきた。
不安と期待が入り混じった気持ちのまま待っていると、朝8時ピッタリに工事業者がやってきた。ドアを開けると20代後半くらいで金髪の男女2人が工事道具を持って立っていた。
【工事担当者との邂逅】
旦那さん「おはようございます!DKPさんからエアコン交換の依頼をされてきました!よろしくお願いします!」
あまりにも元気で思っていた以上に丁寧な男性の作業員さんだ。
後ろには違う作業着を着た女性が立っていて、スマホを弄っていた。
聞いてみると夫婦でエアコン交換などの工事を請け負っているらしい。二人とも金髪な上に耳にピアスを着けまくっていてヤンキー感があってめっちゃ怖い。
旦那さん「30分位で終わるので、ゆっくり待っていてください!」
工事のために家に上がってもらうと、旦那さんの方が太陽のような笑顔で大声で声をかけてくれた。正直うるさい。まだ朝8時やぞ。
私「わかりました。よろしくおねがいします。」
相手の声はうるさいけれど、これ以上会話をするとさらに大きい声で朗らかに返答してくるに違いない。無駄な事は喋らずに部屋の片隅でスマホを弄りながら待つことにした。
奥さん「すいませ~ん。工具使うんで~電気借りていいっすか~?」
突然、奥さんの方から声をかけられたが、モスキート音よりも小さい声だったので何度か聞き返してしまった。蚊の鳴くような声とはこういう声を言うんだろう。
お前ら夫婦は声量のバランスが極端やねん。2人で足して2で割ってくれ。
電気を使うことを承諾して、再び部屋の隅でスマホを操作して待っていると工事業者の夫婦が会話を始めた。
旦那さん「うわ!このエアコン17年前のヤツじゃん!見てみろよ!」
奥さん「マジじゃん、ウケる」
旦那さん「エアコンの中が汚すぎるんだけど!見てみろよ!」
奥さん「マジじゃん、ウケる」
旦那さん「前の業者が隙間埋めしてないじゃん!見てみろよ!」
奥さん「ふーん」
いやいや聞き捨てならない言葉が出てきたんですけど?
隙間の穴埋めをしていない?どういうことなんだい?
前の業者の手抜き工事
工事業者の旦那さんいわく、前の業者の工事は手抜きだらけだったらしい。
手抜きされていた箇所
- エアコン配管の貫通穴の隙間埋めをしていない
- ドレンホースが地面に触れていた
- ドレンホースに虫侵入防止のフィルターが付いていない
言われてみれば心当たりがある。
エアコンを点けているのに部屋が全然暖かくならなかったり、部屋を締め切っているのに虫が入ってきたりしていた。
今回のエアコン交換で壁の隙間埋め、ドレンホースの配置変更とフィルターの装着をしてもらったから、部屋が快適になったのは間違いない。
なによりもエアコンをつけてから部屋が暖まる早さが早くなった。これがエアコンの力なのか、それとも部屋壁の隙間が埋められたからなのかは不明。
思い返せばこの部屋に入居したのは約2年前になるけど、今回問題に上がったポイントは入居前にすでに劣化していたはずだ。
私達が思っている以上に管理会社は仕事はずさんなのかもしれない。
エアコンの管理は「管理会社の仕事」
管理会社は営利企業。
アパートを管理している管理料を支払っているけど、これは月払いの固定額。
日々何もなければ寝ていてもお金が入ってくるシステムだから、私たち消費者は少しでも気になったことや不便に思ったことは管理会社にすぐに連絡したほうが絶対にお得。
入居者が動かなければ、管理会社は絶対に動かない。
10年以上前のエアコンなら交換してもらえる可能性が高い
この記事を見た人で賃貸アパートに住んでいるなら、すぐにエアコンの製造年数を調べて欲しい。
10年以上前のエアコンが設置されているなら、管理会社に問い合わせれば交換してもらえる可能性が極めて高い。
まだ問題なく動く状態でも、エアコンを製造している各社メーカーが「エアコンを安全に使用できる年数は10年」と定めている以上、交換を求められれば管理会社も何かしらの対応をせざるを得ない。
入居者は家賃と管理費を払っているから、快適に住む権利があるから気にせず管理会社に問い合わせをしてOK。
あと工事の日程を決める際に雑な電話対応をしてきた人は、工事業者の夫婦のお父さんらしい。
顔を拝んでやりたかったけどたぶんストレスが溜まるから頭の中から消去することにする。むしろ工事に来てくれた作業員がヤンキーっぽい夫婦で良かった可能性が微レ存。
人は見た目によらないね。