33歳にして俺はついに親知らずを抜いてきた。
術後は全く痛くなくて「あれ?これ余裕じゃね?」とか思っていたんだけど、まさかの親知らずを抜いて4日後に痛みがきて死にかけたんだ。というか今まさに俺は死にかけている。
この耐えがたい痛みをこの記事を見てくれる人と共有するために、今回は親知らずを抜いた体験談を書き殴っていく。
親知らずを抜くメリット・デメリット
「親知らずは抜いたほうがいいよ」と言ってくる人は腐るほどいたけど、明確にメリットとデメリットを提示してくれた人は今までいなかった。
どうせ金をかけるんだからメリットが勝っていないとやる意味がない、ということでまずは親知らずを抜歯する際のメリット・デメリットを下記する。
【メリット】歯磨きが楽になる
当然だけど一番奥の歯が無くなるから歯磨きが楽になる。
人によっては親知らずが傾いていたり、親知らずが手前の歯を押してしまって歯茎と歯の隙間ができたりと歯磨きで磨き残しになりやすい。
磨き残しを残さないように歯磨きをするのはかなりのテクニックが必要だが、根本的な原因である親知らずを抜てしまえば歯磨き自体が楽になるんだ。
【メリット】口臭が減る
口臭の原因の一つが磨き残しによる細菌プラークの繁殖だ。
前項に記載したメリットである”歯磨きが楽になる”というのと直結する効果で口臭を低減できる。
【メリット】虫歯の予防になる
磨き残しで最近であるプラークが繁殖していくと虫歯になりやすくなる。
仮に親知らずの隙間が原因で虫歯の症状が進んでしまうと、隣の歯の根っこ部分も虫歯に侵食されてしまい、隣の歯まで抜歯をしなくてはいけなくなる。
【メリット】歯並びへの悪影響を予防
親知らずの生え方は人によってさまざまで斜めに生えたり、真横に向いてしまっていることもある。
変な方向に親知らずが生えてしまうと、手前の歯を押して歯並びがどんどん悪くなってしまう。
【メリット】小顔になる
親知らずを抜くことで隙間ができて歯を支えている骨が痩せるので小顔になることもあるらしい。
実際に俺の友人も親知らずを抜いてから、心なしか顔がシュッとしてように見えるから個人差はあるものの小顔効果はあるのだろう。。
【デメリット】抜歯後は腫れ、痛みがある
抜歯後には痛みや腫れが出る。
抜歯後の3日間は症状をつらく感じたり、食事がままならなくなることは覚悟しておいてほしい。
【デメリット】関係ない組織を傷つける可能性
親知らずが歯茎に深く埋もれていたり、根っこが複雑な形をしていたりと生えている状況によっては抜歯の際に骨や神経・血管を傷つけてしまうリスクも0ではないらしい。
【デメリット】他の歯がダメになったときに利用できなくなる
親知らずを残しておくことで、もしも他の歯がダメになったときに移植したり、手前の歯を抜いてしまった際にブリッジとしてつなげて治療する方法もあるらしい。
ここは歯医者さんのカウンセリングで説明をしてくれるから、しっかりと担当医と相談をして決めていくことをオススメする。
親知らずを抜歯した体験談
ここからは俺が親知らずを抜歯した体験談を下記する。
親知らずを抜けるのは口腔外科がある歯医者
調べたところ俺の親知らずは歯茎の中で真横を向いていて、表には全く出ていない状態だった。
この状態で親知らずを抜歯できる歯科クリニックには「口腔外科」という専門医が必要になるらしい。
定期健診で通っている歯科クリニックには口腔外科が無かったため、知人から親知らずの抜歯が上手いという歯医者を紹介してもらい即日予約をした。
初診はレントゲンとカウンセリングだけ
親知らずを抜く決意をもって歯科クリニックに向かったが初診で抜歯はしなかった。というのも俺の親知らずは全て歯茎に埋まっていて、歯茎ごと削り取らないと抜歯ができないらしい。
歯茎ごと削るということは他の人よりも身体へのダメージが大きくなる、つまるところ頬の腫れが引くまでにかなりの時間が必要になるとのことだった。
俺が受信したのは12月の年の瀬。これから忘年会シーズンで飲み会が増えるタイミングだったので、初診はレントゲンとカウンセリングだけで済ませた。つまり俺はビビったわけだ。ぴえん。
親知らずは全ての人に4本生えていると思っていたらそれは間違った認識らしい。俺は下2本しか生えていなかった。レアキャラかもしれない。
カウンセリングが終わると同意書の記入をした。記載の内容は「痛みが続く期間」「抜歯後は数日口が開きにくくなる」「手術後の後遺症について」など。後遺症については1%未満と報告されているらしく、俺の行った歯科クリニックでの発生は0らしい。限りなく低いリスクなので気にしないことにした。
即日の抜歯も可能
親知らずの抜歯には長時間の施術が必要なため、口腔外科でも初診では抜歯ができないケースもある。
すぐにでも親知らずを抜きたい人は「親知らず 即日 抜歯」でヒットした歯科クリニックに行くことをオススメする。
別日で親知らずの抜歯手術
親知らずが歯茎に完全に埋まっている俺は人よりも腫れがひどくなるらしい。
よって俺は三連休前の金曜日に有休をとって抜歯に挑んだ。
受付を済ませると歯科助手さんに手術室に連れていかれて「腫れますよ」「麻酔をたくさん打ちますよ」と業務的な会話が始まり、初診の時と同様に同意書に沿った説明をされた。
手術時間は概ね1時間程度とのこと。俺はこれから1時間も苦痛を受けなければいけない。健康なのに。(倒置法)
でもさらに健康になるために親知らずを抜く。これは健康になるための試練だと自分に言い聞かせ主治医を待つこと5分。ついに親知らずの抜歯手術が始まった。
アホほどデカい麻酔を4本打たれた
診察台に寝かされて目隠しをかぶせられると早速麻酔を歯茎の奥に打ち込まれた。目隠しをされる前にチラッと見えた麻酔は親指サイズでくそデカかく戦慄したのを覚えている。正直おしっこ漏らしそうだった。
1発目の麻酔はそこそこ痛かった。ふだんから物が侵入しにくい奥に針を打ち込まれたので咽そうになったし、1発目の麻酔は舌のしびれも感じた。たぶん喉の近くなので舌の神経とも繋がっていたんだろう。
最初の麻酔が良く効いているのか2発目以降の麻酔はいつさしているのか分からないレベルで処置が進んでいった。手術中で一番痛かったのが麻酔の投与で、その後の手術は音がうるさいことと、口を引っ張られすぎて唇の端が切れたことぐらいしか語ることがない。
約40分ドリル音を聞き続ける
手術が始まってしまうと俺は口を開け続けることしかできない。
麻酔が聞いているので全く痛くないんだけど、その代わり音が超うるさい。40分間何かで(たぶんドリル)削られる音が続く。
特筆するとしたら親知らずの手術中は口を引っ張られ続けるので、唇の保湿としてリップクリームを塗っておいたほうが良い。俺は冬に手術を受けたこともあって唇が渇いてしまって手術終わりに確認すると端が切れていた。
親知らずの抜歯手術にはリップクリームが必須だと提唱する。
痛み止めを渡されて終了。抜糸は1週間後
手術が終わると削った歯茎を縫合される。1週間後にはある程度傷がふさがるらしく、その場で抜歯の予約をとった。
痛み止めと抗生物質をもらって歯科クリニックを後にした。
費用は約8,000円。この費用にはレントゲン台も含まれているらしいので、次回は4,000円程度で済むらしい。
親知らずを4本抜いても20,000円で済むんだから思ってた以上に出費は大きくない。これが国民皆保険制度の力。日本最高。
術後は思っている以上に痛くなかった
術後5時間が経過しても痛みが来ない。あれ?もしかしてまた何かやっちゃいました?と考えながら痛みを待ち続けた。それでも痛みは来ない。
思っていた以上に親知らずの抜歯は大したことないなと思っていたんだ。翌日、目を覚ますまでは。
翌日の顔はアンパンマン
目を覚まして鏡を見るとそこにはアンパンマンがいた。
ありえないほどに腫れた頬はマスクからも飛び出してしまい、輪郭が変わってしまったんじゃないかと思うほどにパンパンだった。
本当に人には見せられないレベル。男性の俺でこんなに思うんだからたぶん女性にとっては死活問題。親知らずを抜くなら最低でも3日間は家に引きこもれるタイミングで手術を受けることをオススメする。
痛みが来たのは4日後
3日ほどで頬の腫れはマスクをすれば分からなくなる程度に治まってきた。しかしここで想定外の問題が発生した。
痛い。超痛い。
俺がネットで調べて、歯科助手さんにも聞いていた話は3日ほどで痛みのピークは過ぎ去るというもの。聞いていた話と違う。
あまりにも痛みが続くので4日目にして痛み止めを飲み始めた。
抜糸の際に主治医に聞いたところあまり聞かない症例らしい。ドライソケット(カサブタが剥がれている状態)にもなっておらず、おそらく歯茎が治癒している過程でなんらかの痛みが発生しているとのこと。とりあえずは放置して大丈夫とのことなので痛み止めで耐えることにする。
抜歯した今でも痛い
親知らずの抜歯が完了して抜糸をした今でも痛みは残っている。
日に日に痛みは引いているらしいけど、俺個人は痛みが引いている実感がわかない。だが俺が思っている以上に人間の治癒能力は高いと主治医に諭されたのでまずはそれを信じることにする。
医者から言われた、この事実だけで社会的信用は事足りるし、一度親知らずを抜いてしまえば二度と生えてくることがないし今回の痛みも人生で味わうのは最後と思うと名残惜しいまである。
だから耐える。でも痛い。
だけどこの痛みを越えた先に新たな健康が得られるのであれば俺はなんとか耐えられる。これから親知らずを抜歯する人は覚悟をもって挑んでほしい。事前に準備をするものは覚悟とリップクリームだけ。健闘を祈る。